課題と問題の違い
鈴木:福田は、企画者として20年ぐらい仕事しているので、普通だと思うのですが、「課題を言って」というのも結構難しいのですよね。「課題と問題」の違いがよくわからなくなるし。
福田:それは、定義の話なので、どっちでも良いっては思っています。それより、「ここ、なんか使いづらい」とか「なんか困っているって」という事だけ教えてほしいな、ということです。
もっと簡単に「ここわかりづらいとか」で全然構いません。そうすれば、そこから課題が抽出できるので。
鈴木:なるほど。そこは理解しました。どころで、さっき行言った課題と問題の整理って、福田はどう整理しているの?
福田:そうですね。例えばやすがテニスの選手になりたいとするじゃないですか。そうした時に、課題はやすの四十肩とかになると思うんですよ。今ラケットを回せなくて、サーブが打てませんとかです。
普段もやすは、四十肩だけど、テニスの選手になりたいという目標ができて、初めて、課題になるのですよね。
一方で、テニス選手になるっていうときに、やすは「オレ、実は英語を話すのが得意じゃないんだけど、インタビューとか大丈夫かな?」と言うかもしれない。でも、これは課題じゃない。同じように「トークが面白くありません」もそう。これは課題ではない。
もしかしたら、問題ではあるかもしれないけど、テニス選手になりたいという目標に対する課題ではないですよね。
課題は、実現したいものに対して障害になっていることって思ってます。問題はもっとひろい欠点であったりとか、何か良くないものみたいな感じですね。
課題がわからないのに、解決できない
鈴木:「トーク面白くない」とかって気になりはしますがw。課題は、目標や目的に対して障害になるもの。問題はもっと広いもので、目標を設定したタイミングでいろいろな問題の中から課題が浮き上がるみたいな感じでとらえました。
話を戻すと、私が困っているっていう状況を共有したら、そのサイトが実現したい目標から照らし合わせて、課題を抽出して解決するって事なのだろうな。サイトが実現したいこと関係なく、解決策考えられないよね、という。
福田:もちろん解決しようとしてくれても良いのですが、本当にその方法論で良いのか、わからないじゃないですか。お腹痛い話で言うと、お腹痛は言えても、膵臓の何が何とかするか言えない。でも、「腹痛くて歩けない」は間違えようのない事実じゃないですか。
その一方で、胃薬という解決策は違う可能性ある。そもそもの課題がなんなのかがわからないから解決できるのかどうかがわからない。
鈴木:私は実は、盲腸なのに、「胃薬を下さい」と言ってる可能性があるってことですね。
人は困ってる事にも慣れてしまう
福田:ビジネスの現場でもよくある事だと思うのですが。商品の話で、「この機能が何々ないから売れないのです」とか、「こういう機能をつけてくれば売れます」という話ってありますよね。それは、そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。
課題がわかってないと解決できるかどうかわからない事ですよね。私は解決策の前に課題の特定が重要なのですよね。
関連していうと、人って、困っている事にすら慣れてしまうと思っています。すごく使いづらいサービスでも、人間で1ヶ月とか使ったらもう慣れてしまう。「使いづらさ」を感じる能力って、なかなか持ち得ないって思うのです。強く意識しないと。
だから、初見の方の意見や感想みたいなものは凄く大事なんです。困っているという状況で何が起きているのか?を深く知っておきたいな、という思いが強いってことですね。
鈴木:確かに、福田は、初見のユーザーの声を大事にしますもんね。それも困っているという状況がフレッシュな状態だからなのか。よく、わかりました。
「解決策ではなくて、困っている状況が知りたい」という意味でも初めて触れた時のことは確かに大事だなー。よくわかりました。
そして。私、この対談企画、やっぱり好きなので、今後定期的に行っていきたいとおもっております!