先日の記事で、構造化面接について言及しました。構造化面接は科学や論理を活かした方法で、ロジカルなだけでなく再現性があります。しかし、実践するハードルが高いと感じる方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、構造化面接のメリット・デメリットを整理し、どのようなステップで行えば良いか解説します。
構造化面接とは
構造化面接とは、事前に質問とそれに対する評価基準を決めておく面接手法です。従来の面接に比べ、より客観的で公正な評価ができます。採用の場で広く使用されている形式の1つで、Googleが行っているということで有名になりました。
構造化面接のメリットデメリット
構造化面接にはメリットとデメリットの両面があります。
メリット
メリットの1つ目は、公正で偏りのない評価ができることです。すべての候補者に同じ質問をするため、「前職は何か」「どのような学歴か」といった候補者の経験やバイアスに引っ張られた評価を防げます。
メリットの2つ目は、より正確な評価が可能なことです。構造化面接では候補者のスキルや能力、行動を判断するために設計された質問を投げかけるため、より正確な評価ができます。候補者ごとに見える面のムラが生まれず、公平な判断が可能です。
メリットの3つ目は、採用プロセスの改善です。構造化面接を取り入れることで、候補者の選考の可視化や不適格な候補者の早期除外、より優秀な候補者の採用につながります。
デメリット
デメリットの1つ目は、質問の設計に時間がかかることです。構造化面接では、事前に設計された一連の質問を作成する必要があります。このプロセスは時間がかかり、専門知識を必要とする場合もあります。
デメリットの2つ目は、候補者が緊張しやすいことです。構造化面接に慣れていない候補者は緊張しやすく、これにより候補者の真のスキルや能力を見誤るリスクがあります。また、候補者がプレッシャーを感じる可能性もあります。
構造化面接を行う上での注意点
構造化面接を実施するにあたり、4つの注意点があります。1つ目が、質問の作成に時間をかけることです。構造化面接では候補者全員に同じ質問をするため、質問が不適切だったり欠陥があったりすると、正確な評価ができなくなります。
2つ目が、評価基準を明確化することです。評価基準が曖昧だと、候補者の評価に偏りが生じます。また、面接官全員が基準を理解しておかなくてはなりません。
3つ目が、評価者をトレーニングすることです。評価者である面接官は適切なトレーニングを受け、スキルを身につけて初めて正当な評価ができます。特に、質問に対する回答を評価する際、注意すべきポイントを明らかにしておくことが重要です。
4つ目が、記録の作成です。質問の内容やそれに対する回答を記録しなくては、正確な評価ができません。また、面接官同士で評価を共有するためにも
構造化面接実施のステップ
構造化面接を実施するには、以下のステップの通りに進めます。
1.質問の作成
候補者に対してどのような質問をするか、内容を固めます。
2.評価基準の明確化
質問に対してどのような回答をしたらどのような評価になるのか、基準を明らかにして面接官全員に共有します。
3.面接
候補者にはまず構造化面接について説明し、面接の流れを説明します。開始後は、事前に作成した質問をして、候補者の回答を記録します。
4.評価
面接後、評価者は記録をもとに候補者のスキル、能力、および行動を評価し、他の面接官と共有します。評価結果をまとめ、次のステップに進むための判断材料とします。
まとめ
このような形で、構造化面接を簡単に実施できます。初めのうちは評価者も候補者も形式に慣れず、緊張することもあるかもしれません。しかし何度か繰り返すことで経験を積むことができ、プロセスの改善に繋がります。
そして、この「面接プロセスが改善できる」という点こそ、構造化面接の非常に大きなメリットです。個人的に、面接プロセスの改善は、とても難しいものだと感じていました。ですので、構造化面接という手法を用いて、そのプロセス改善をおこなっていこうと思っています。